なみある?塩田気象予報士の波や天気のお話。【天気図の読み方】

Category : NAMI-ARU?/なみある?トピック Update : 201906.07Fri

すでに梅雨入りしていた奄美、沖縄、九州南部に続き、今日6月7日には東海、関東甲信、北陸や東北南部も梅雨入りしました。

東北南部が九州北部や中国、四国、近畿地方よりも早い梅雨入りとなるのは、21世紀になってからは初のことです。

私事で恐縮ですが、梅雨入りとともにめまいや耳の圧迫感など、今年ももれなくそんな症状が出始めました。
軽い高山病のような感じですかね。大人になりすぎたのか!?気圧の変化にはどうも敏感になってきた、気象予報士の塩田久実です。
こんにちは。

梅雨は地球規模の季節変化の一環で、ここしばらく雨や曇天となる日が多いのは仕方がありませんが、すっきりとした青空が恋しくなりますね。

さて、梅雨時期の波の傾向についてはすでにお話ししましたので。

●なみある?塩田気象予報士が【梅雨前線と波】について語ってみた

今回は、読めたら便利な地上天気図のお話をしたいと思います。

私たち予報士は、天気や波を予想する時には高層の天気図や予想図も使いますが、日頃テレビやインターネットでもよく目にする地上天気図を読めるようになっておくと、ご自身でも大まかな波の予想が出来たりして、便利なのではないかと思います。

私の周りのサーフィンを長―くされている方々は天気図が読める人も多いのですが、同じくらい長いサーフィン歴でも、
「西から上ったお日様が~♪(以下省略)」と口ずさみながら、「あ、太陽は東から上るよね。」と、言ったりする人もいるわけで(天気図は読めないが、なぜかそういう方は波運に恵まれていたりもする)。。。

波情報&予想や波高予想データがあればサーフィンを楽しむのに不便はないとは思いますが、そこに地上天気図を見ることを習慣に加えてみるのもオススメです。

まず、地上天気図を見てみると、高、低、台、熱低などの文字、等圧線、そして半円や三角がついた前線があります。
今日午前9時には、低気圧が朝鮮半島の南端辺りに位置し、温暖、寒冷、閉塞、停滞前線、という4種類すべての前線が存在していました。

波は風によって起こるため、天気図を見てどのくらいの強さでどの方向に吹いているかをイメージ出来たら良いなと。

空気の塊は、気圧が高いところ(高気圧)から低いところ(低気圧や前線)へ向かって動きます。これが風です。

(高)や(低)の近くには気圧を表す数字が書かれていますが、その差に注目を。
どのくらいの強さで風が吹くのかは等圧線の間隔を見てみます。間隔が狭ければ風は強く、広ければ弱い。
低気圧の中心近くや高気圧の縁などは強く吹きやすいということになります。
そして、海上で吹く風が強く、吹き続く距離が長ければ、ウネリが力を持って岸にたどり着くのです。

ちなみに、高気圧は外側へ、低気圧は内側へ。風は20~30度の角度で等圧線を斜めに横切って吹くと言うことも覚えておいてくださいませ。

また、台風は等圧線間隔が非常に狭く、発達すると何本の線があるのか数えられないくらい密集しますが、中心に近いところではそれだけの気圧差があり、風は反時計まわりに回転しながら吹き荒れて海上は大しけ。日本から遥か離れた南の海上にあっても、そこで生まれた風波がウネリとなってが伝播してくるわけですね。

さて、今朝の天気図には4種類の前線すべてが存在していました。
前線とは異なる気団(一つの気団は温度や湿度などがほとんど同じ性質の空気の塊)がぶつかり合っている面の地上と交わっている線のことです。
それぞれについて簡単に説明します。

・温暖前線(半円が並んでいる)
暖気の勢力が強く、低気圧の前面で寒気の上を這い上がっている。

・寒冷前線(三角が並んでいる)
温帯低気圧の後面に表れ、寒気の速度が速く潜り込むように暖気を押し上げている。

・閉塞前線(半円と三角が同じ向きに隣り合って並んでいる)
低気圧の発達最盛期になると、動きの速い寒冷前線が温暖前線に追いつき、暖気は上空に押し上げられ下層は寒気に覆われている。

・停滞前線(半円と三角が別の向き出隣り合って並んでいる)
暖気と寒気の勢力が拮抗している前線。明瞭な動きがなく、低気圧が存在しない場合もある。

日本には四季があり、季節ごとの気圧配置のパターンや波の傾向がありますが、天気予報などで天気図をご覧になる時には、少しずつでも前線の意味を理解していくことで、やがて波のイメージに繋がっていくのではないかと思います。

6月の前半は、停滞前線である梅雨前線は本州の南側に架かり、その北側では北東風が中心となるため、東向きのポイントでは比較的遊べる日があっても、南向きのポイントでは波がない、または小さいというイメージが強いと思います。
ただし、梅雨前線の活動が活発に (気団同士の押し合う力が強く)なり、前線上に低気圧が発生すると、発達しながら沿岸を東進することで、動向次第では南向きのポイントでもサイズ変化することもあるわけです。

そして、南の海上には太平洋高気圧が張り出してきました。
前線の南側では高気圧の縁を回り前線に向けて、南西風が吹き続きます。6月下旬にかけて、前線の北上とともに南西の風波やウネリが強まる日が増えていくでしょう。

地上天気図や予想図を見て、どのあたりでどのくらいの風が吹いているのか、そこから生まれる波が、どのくらいのサイズやパワーで届くのか、など、波情報と付け合わせながら少しずつ理解を深めていくことで、ますます楽しい日々となりますように。

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