なみある?塩田気象予報士が【冬の波】について語ってみた

Category : PickUpTopics/注目トピック Update : 201901.10Thu

酷寒のみぎり、いかがお過ごしでしょうか。
寒中お見舞い申し上げます。
本年もどうぞ宜しくお願い致します。
気象予報士の塩田久実です。

11月~12月に入るまでは暖かい日が多かったものの、取り戻すようにクリスマスの後は冬将軍の到来。
年末は、日本海側は大荒れとなり、太平洋側は西風や北風による波サイズアップ。
年明けは千葉以北では北東ウネリの反応するなど、冬らしい波が続きました。

ということで、2019年の始めは冬の波の特徴について。

◎冬型(西高東低)の気圧配置
冬に良くみられる、日本の西に高気圧、東に低気圧がある気圧配置のこと。日本付近は等圧線の間隔が狭い縦じま模様となります。

まずは、この仕組みから。
冬のユーラシア大陸は太陽からの日射量が少なく、北極の寒気に冷やされます。冷たい空気は重いため、地上へせっせと降りてきます。
そして、密度の濃い背の低い(上空に空気が流れ込みやすい)超寒冷&乾燥した高気圧がドーンと居座ります。
そして、この寒気があふれ出して日本付近にはキーンと冷えた北西~北風(季節風)が吹き荒れます。

太平洋の海水温は年間を通して大きな変動がないため、この寒気は南の海上の暖気とぶつかり上昇気流となり、低気圧が発生、発達していきます。

○日本海
この状態になると、日本海側は北西~北ベースの風と波が強まり大きくサイズアップ。

日本海には黒潮と分かれた対馬海流という暖流が流入しているため、その上にある寒気と下の暖気が入れ替わり、上昇気流が発生。海上には雪雲の列が並びます。

冬型の気圧配置でも等圧線がまっ直ぐに伸びている時には雪雲は本州の脊梁山脈にぶつかりその付近で大雪が降るため、沿岸ではさほど降らないエリアもありますが、
海上の等圧線がポコッと膨らんでいる時には沿岸でも要注意。上空にはさらに強い寒気が入り、海上には天気図上に表示されないジョウ乱が発生し、沿岸でも大雪となり、局地的な突風や落雷など天気も大荒れ。
波も天気も厳しいコンディションとなるところが多いでしょう。

狙い目は、冬型が弱まる時。
大陸の寒気がドドッと出た後は、次の寒気が溜まるまで一旦吹き出しが弱まります。
そうすると、縦じまの等圧線の間隔が広くなり、やがて本州付近は高気圧へ。

風波はまとまり、十分なサイズを残して遊べるコンディションとなりますが、1日でサイズダウンしてしまうことも多いため、タイミングを逃さないようにするのが大事です。

また、高気圧が南に偏った時など、低気圧が北海道やオホーツク海付近で発達すると、北側で強まる北~北東風によって、北九州や山陰などには北ウネリがヒットし、極上の波が続くこともあります。

○太平洋
太平洋側は冬型の気圧配置となり北西~北風が強まると、強いオフショアにウネリが抑えられて、スモールとなるポイントが増えてしまいます。
南の海上や北日本を通過して東海上に抜ける低気圧からの南~南東~東ウネリが反応することもありますが、強まる風に抑え込まれて反応は弱いことが多いです。

けれども、サイズアップするエリアはあります。
まず、強い冬型の気圧配置になると、地形の関係で東海~関東の海上では西風が強まります。そのため、南向きのポイントでは西ベースの波が反応してサイズアップすることがあります。静岡では沿岸でも風が吹き荒れてまとまりのない波となりますが、伊豆の吉佐美エリアや湘南、また千葉南部の一部では風の影響が少なく、遊べることが多いものです。

そして、千葉や茨城では北~北東風が中心となり、北東~東向きのポイントには北ベースの波が反応します。多くのポイントで風が影響しまとまりのない波となりますが、地形や堤防などで風を軽減しつつウネリを拾えるポイントを上手く選べば遊べる日は多いでしょう。
ただし、日本海と同様、風が弱まるとコンディションは上向きますがサイズダウンが早いのも特徴です。

さらに、もう一つ!
冬の太平洋側では、主に千葉以北のエリアでサイズアップする要因があります。
南の海上や北日本を通過した低気圧が日本の遥か北東の海上へ進みながら猛発達し、条件がそろうと、波長の長い北東ウネリが届き、北東~東向きのポイントを中心にしっかりとサイズアップ。中・上級者の方が十分楽しめる波が反応することもあります。

この場合、徐々にダウンしながらも数日十分なサイズの波が続くことが多いため、波情報などで波高予想を見る場合は、ウネリの周期も見ておくことをオススメします。

○まとめ
冬に波がある日は、主に、

① 風波(日本海側、太平洋側共に)
・風波でサイズアップ。
・風が弱まると、波がまとまりコンディションは◎
・サイズダウンは早い。素早い準備と行動を。

② 北東ウネリ(太平洋側)
・遥か北東の海上で発達した低気圧から届く
・しっかりと反応している場合、その波は数日続くことが多い。

これらの波は、12月~2月くらいまでサイクルでやってきますので、、そんなの当たり前に知っとるわい!という方も多くいらっしゃると思いますが、、
そうでない方は、ぜひインプットしておいてくださいませ♪

次回は、冬の後半に増える南岸低気圧や二つ玉低気圧についてお伝えいたします~。