【VISSLA注目のクリエイター#8】ダニー・ヘスが語るウッドサーフボードの魅力!

Category : PickUpTopics/注目トピック Update : 201608.30Tue

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ダニーヘスというシェーパーを初めて意識したのは、トーマスキャンベルのフィルムでダンマロイが乗っているフィッシュを見たのが始まりだった。

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ダンマロイはこのフィッシュでサーファーズジャーナルのカバーショットを飾り、ダニーヘスのボードへの注目が急に高まったのを覚えている。

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当時、クラークフォームがドアを閉めるという大事件が起き、サーフボードを作る素材に対する意識が大きく変わり始めた頃だったし、環境に優しいもの、あるいは壊れにくく長く使用できるものが注目され出し、シェイプやサーフィンそのものについても多様な考え方が受け入れられる様になってきた頃だったのだろう。

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もう10年以上もウッドをメインの素材としてサーフボードを作り続け、トレンドやクールさというもの意識せず、コツコツと自分の信じた道を歩き続けているダニーヘスは、アメリカだけではなく日本のメディアからも大きな注目を受け続けている。

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大きなうねり、冷たい海水や早い流れなど、南カリフォルニアのシーンとは少し異なるサンフランシスコのサーフシーンの中心地にWood Shopというアトリエを構え、3人の仲間とクリエイティブな活動をスローに発信し続けているシェイパーだ。

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彼は写真家として有名な奥さんのエリンさんを伴い、数年前に日本を訪れた。

東京、湘南、千葉だけでなく奄美大島や京都を訪れたが、日本のカルチャーに深く感銘を受けるとともに、日本の海岸線の持つポテンシャルが忘れられないと語っている。

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マーベリック級のうねりが入ったら翌日にでも日本に行くよと言い、天気図がその兆候を見せると、かならず連絡してくる彼にちょっと話を聞いた。

そもそもボードをシェイプする事になったきっかけは?

D:僕はベンチュラで育ちサーフィンを始めたんだけど、ある時手に入れたボードがツインフィンだったんだ。16歳くらいだったかな。

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とても調子が良かったのに、すぐ壊れてしまって。

当時はトライフィンが全盛で、あまりツィンフィンを作っているシェイパーはいなかった。同じボードに乗りたいならばあの板をきっちりリペアするか、同じものを自分で作るしかないって思ったんだよ。

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それにサーフショップに置いてあるボードはすぐ壊れるし、自分なりに研究してもっと長いあいだ乗る事ができるボードが作りたいといつも思ってた。

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僕の父はとても器用な人で、当時住んでいた家は彼が自分で建てた家だった。

なんでも修理できるし、お店に行ってものを買うより前にどうやったら自分で作れるかを常に考えている様な人だった。

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だから、僕も自然にそういう考え方をする様になったと思う。

今サンフランシスコに居る理由を教えて?

D:サンタクルズの大学に進み、父の影響もあって建築を勉強した。

勿論サーフィンも沢山したし、海の事が大好きだから海洋学も学び、アートについてもね。

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でも、大学を出てすぐ建築士のライセンスを取って家のリモデルとか、建築関係の仕事をやる様になったんだ。

家や家具なんかも頑丈で長い間機能を継続出来る、しかも環境的に優しいものを作りたいと思っていた。そしてあるプロジェクトに参加する事になってコロラドにしばらく行く事になったんだ。 楽しかったけど、やっぱりあそこは海から遠すぎたよね。(笑)

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それで友達が沢山居るサンフランシスコに来たんだ。

このサンセットに落ち着く前にオークランドや周辺の街にも住んだり、工房をもったけど、このサンセットはオーシャンビーチからすぐだし、とても気に入ってる。

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僕の必要なものは周りに全てある。もう10年以上ここにいて、当時と比較すると大分変わったけど、大好きな街と出会えたと思う。

ウッドショップからすぐ近くに家があるから、普段はスケートボードだけで殆どの用が足せるのも最高さ。

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サンフランシスコはサーフシーンが盛り上がっている?

D:そうなのかな?南カリフォルニアとはやっぱり違うし、インダストリーとしてはまだほぼゼロだと思うよ。

でも、できればこのペースのままで居て欲しいとも思う。昔よりはサーフィンの出来る場所としての意識は高まっているのかもしれないね。

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でもシーンそのものにはあまり大きな変化は無いと思うよ。古くから沢山のサーファーが居る場所だし、サーファー同士のコミュニティーも幅があるんだ。

波は豊富だし、知ってると思うけど水はちょっと冷たい。いつもウェットスーツを着てる。

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波はいつもあるけど、コンディションが整うまで時間がかかる。夏はずっとオンショアでさ。

でも、夏が終わって人が減った頃風がぴたっと止まって、何週間かすばらしいコンディションの続くマジックウィンドーがあるんだよ。

みんな待ち遠しいと思ってる時期で、毎日サーフィンの事しか考えたくなくなるよ。(笑)水温もあの時期が一番心地よい。

あと、オンショアの夏の海は空いてるし、実は結構楽しい波が沢山あるんだよ。

僕はオーシャンビーチの波は、特にオンショアの場合ボディーサーフィンやハンドプレーンに最適だと思う。

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素晴らしいオーシャンスイマーやサーファー、沢山のレギュラーが居るんだ。

サーフボードの素材として木を選んでいる訳は?

D:単純な部分ではウッドのフレックスが素晴らしいと思うから。

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ポリエステルやEPSで作ったボードに慣れているとちょっと判り難いかもしれないけど、ウッドボードのしなりは別格だと思ってる。

いろいろな種類のウッドがあって、波にもそれぞれの特徴があるから、これだ!と言うコンビネーションを見つける事がキーだと思うよ。

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必ず見つかるし、それを助けるのがシェイパーとしての僕の仕事。

特にサーフボードの様な曲線の多い造形物を作る為には、いろいろなトリックを使わないとならないけど、長い事思考錯誤してやってきてるから、今はかなり短い時間でサーファーの求めるボードを作る事が出来ると自負してる。

ボードの作り方やシェイプそのものっていうのは、サーフィンと同じ様に常に革新し続けられるものなんだろうし、結果としてクオリティー良く、楽しいボードが作れる様になっていければと思う。

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それと、究極的にはこのウッドという自然から与えられた素材が大好きだから。

木の感触や匂い、全てが大好きなんだ。ウッドショップにいる仲間もみんなそう。だからウッドショップっていう名前になったんだよ。(笑)

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僕の作ったウッドボードがお父さんから子供達に受け継がれ、彼らがそのボードでサーフィンを覚えて楽しむ事が出来る事が理想だし憧れなんだよ。

木に限らず人間が手を使って作るもの、つまり1つ1つ丹精を込めて作るものというのは特別なものだと思う。

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大量生産された画一的なプロダクトには、僕はあまり魅力を感じないんだ。贅沢なんだよね。(笑)

日本の感想は?

D:何年か前に新島で素晴らしい波に乗った事もあるし、うねりさえ入ればビッグウェーブが立つ事も知ってる。

食事は最高だし、文化も素晴らしいと思う。住んでいると判りにくいかもしれないけど、至るところにある木工のテクニックや美しさにはいつもびっくりさせられるよ。

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日本の木工は多分、世界でも最高のレベルにあるんじゃないかと思う。その分アメリカでは絶対に手に入らない様な工具を見つける事が出来て、それが僕の最大の興味かな。

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工具はあくまでもシンプルで、調整が簡単に出来る様に作られ、部品の補充や修理も容易に出来るのが羨ましい。(笑)

多分一番すごいのは工具に使われている鉄だと思う。日本製のカンナの刃は絶対日本刀と同じくらい切れると思うよ!

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何か用ができれば日本にはいつでも行くよ!

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